ニュースリリース
~エンジニアリングツールの統合化とマニュアルレス・プログラムレスの実現~
機器のプロファイルを記述する記述言語仕様「CSP+」発表!
CC-Link協会(CLPA/会長:関口隆横浜国立大学名誉教授/幹事会社:IDEC株式会社、3M Company、Cognex Corporation、株式会社デジタル、日本電気株式会社、三菱電機株式会社)が普及活動を実施しているオープンフィールドネットワークCC-Link(シーシー・リンク)は、機器のプロファイルを記述する記述言語仕様「CSP+(シーエスピープラス)」を発表いたします。
背景
CC-Linkファミリーシステムプロファイル(CSP+:シーエスピープラス)は、CC-Linkファミリー対応機器の立ち上げ、運用・保守のために必要な情報を記述するための仕様です。
従来、CC-Link接続対応製品に関して、このような情報の記述にはCC-Linkシステムプロファイル(CSP)が利用されてきました。しかし、CSP仕様の策定以降、以下のような理由から、より記述性の高いプロファイル仕様の必要性が高まっています。
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1. 機能の複雑化
以前は、設定の少ない単機能の製品が主流でしたが、近年、複雑な設定や制御が可能な高機能な製品が増加してきております。
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2. エンジニアリングツールの用途の多様化
製品の入出力やパラメータの設定のみではなく、診断やエネルギー管理など、エンジニアリングツールの使用目的が多様化してきております。
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3. ネットワークの多様化
CC-Linkに加え、CC-Link IE フィールドネットワーク、SLMPなど、各種製品をネットワーク接続するためのプロトコルも多様化してきております。
このような背景のもと、CC-Linkファミリー対応機器のためのプロファイル仕様として、CSP+(シーエスピープラス)を新たに定義致します。
CSP+の特徴
- 1. 開発ベンダーに対するメリット
(1)エンジニアリングツール環境を統合
CC-Linkファミリー対応製品の開発ベンダーは、開発する製品に対応するCSP+(シーエスピープラス)ファイルを作成すれば、個別のエンジニアリングツールを作成する必要がありません。更に、診断やエネルギー管理など用途に応じたプロファイル記述により、エンジニアリングツールでそれぞれの用途に特化したレイアウトの専用画面を表示することができるようになります。
(2)プロファイル仕様を統合
CC-Linkファミリー対応製品の開発ベンダーは、CSP+により、CC-LinkやCC-Link IE フィールドなど、CC-Linkファミリーであれば、異なる通信プロトコルで接続する製品も同じ書式でプロファイル記述が行えます。
(3)XML形式を採用
CSP+対応ファイルはXML形式での記述のため、汎用のXML処理用ライブラリが活用できます。そのため開発ベンダーは、プロファイル開発工数を削減することができます。
- 2. ユーザーメリット
(1)多言語対応
CSP+(シーエスピープラス)は、各国で使用されることを想定しておりますので、多言語対応が出来ます。開発ベンダーが多言語対応のCSP+(シーエスピープラス)ファイルを作成することで、各国のユーザーが自国語で使用することが出来ます。
(2)コンフォーマンス試験で認定された確かな品質
CLPAはCSP+(シーエスピープラス)をコンフォーマンステストで設定しますので、安心してお使いいただけます。各ベンダーから提供されたCSP+(シーエスピープラス)ファイルは、CLPAホームページまたは、CC-Linkファミリー対応製品開発ベンダーのホームページよりダウンロードが可能です。
(3)マニュアルレス
メモリマップやアドレス名称等がCSP+(シーエスピープラス)ファイルに記載されているため、ユーザーはマニュアルレスでプログラミングやモニタが出来ます。また、パラメータ設定用プログラムを省略することも可能です。
(4)同一エンジニアリングツールから一括管理
ユニットの立ち上げ、運用・保守を行う際に、CSP+(シーエスピープラス)ファイルをエンジニアリングツールに取り込んで処理を行うことにより、同一のエンジニアリングツールから、CC-Linkファミリーに接続しているユニットを全て管理することができます。
CSP+の運用方法
CSP+の運用方法は、下記になります。
- (1)CSP+(シーエスピープラス)作成支援ツールを使用して、開発ベンダーが、CC-Linkファミリー対応機器のプロファイルを作成。
- (2)上記ファイルを作成完了後、CLPAにてコンフォーマンステストを実施し、認定されたファイルをCLPAのホームページに掲載。
- (3)CC-Linkファミリー対応製品開発ベンダーが作成したCC-Linkプロトコルファミリー接続機器のプロファイルを記述したCSP+(シーエスピープラス)ファイルを、ユーザーはCLPAまたは、開発ベンダーのホームページよりダウンロード。
- (4)ユーザーは、CSP+(シーエスピープラス)を使用できるエンジニアリングツールを購入し、(3)でダウンロードした利用する機器のCSP+ファイルをインポートし、機器のエンジニアリングを実施。
運用方法 | ||||
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対象者 |
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今後のスケジュール
内容 | 時期 | |
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1 | CLPAよりCSP+(シーエスピープラス)の仕様書を公開 | 2012年4月13日 |
2 | CLPAより開発ベンダー向けにCSP+(シーエスピープラス)作成支援ツールをCLPAホームページで公開 | 2012年夏頃 |
3 | CC-Linkファミリー対応製品開発ベンダーが作成したCC-Linkプロトコルファミリー続機器のプロファイルを記述したCSP+(シーエスピープラス)ファイルをCLPA、開発ベンダーホームページで公開 | 2012年夏以降随時 |
以上のように、より記述性の高いプロファイル仕様のオープン化は、ネットワーク技術に対するニーズが益々多様化しつつある昨今、皆様を強力にバックアップしうると確信しております。
CC-Link協会では、今後もFA分野の技術革新に寄与すべく、国内外の枠を越えて普及活動に尽力して参ります。
2012年4月13日
CC-Link協会(CLPA)
お問い合わせ先
CC-Link協会 事務局
〒462-0825
名古屋市北区大曽根3-15-58 大曽根フロントビル6階
TEL:052-919-1588 FAX:052-916-8655
URL:https://www.cc-link.org/
- CC-Link協会
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